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金岡 京子 (カネオカ キョウコ) KANEOKA Kyoko
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論文 【 表示 / 非表示 】
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EU指令改正による自動運転車の製造者責任の拡大と保険への影響
金岡京子 , 2024年02月
損害保険研究 , 85巻 (4号) , 147 - 172
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特定自動運行装置の製造者の民事責任と保険
金岡京子 , 2023年06月
保険学雑誌 , 661号 , 151 - 171
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自動車保険契約における保険期間満了後の保険料不払解除の効力
金岡 京子 , 2021年05月
損害保険研究 , 83 (1) , 53 - 74
著書 【 表示 / 非表示 】
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論点体系 保険法1 第2版
金岡京子 , 2022年07月
第一法規 , p89-114
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論点体系 保険法2 第2版
金岡京子 , 2022年07月
第一法規 , p1-12、41-58、372-378
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山下友信 監修・編 新・保険法コンメンタール
金岡京子 , 2021年06月
公益財団法人 日本損害保険事業総合研究所 , 1-12,108-120,205-209,359-362,408-437
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自動運転と法
金岡京子 , 2018年02月
有斐閣 , 自動運転をめぐるドイツ法の状況 , 35-81
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自動運転と法
藤田 友敬 , 池田 裕輔, 緒方 延泰, 金岡 京子, 窪田 充見 , 小塚 荘一郎, 後藤 元 , 佐野 誠 , 嶋寺 基, 杉浦 孝明 , 2018年
有斐閣 , 0-0
科研費(文科省・学振)獲得実績 【 表示 / 非表示 】
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無人自動運転における製造物責任概念の変容に対応する保険制度に関する研究
研究期間: 2023年04月 - 2028年03月 代表者: 金岡京子
基盤研究(C) 研究代表者 23K01188
本研究は、無人自動運転を安全に実施するための4つの特性(①製造者、実施事業者、データ提供者、通信事業者、自治体、保険者等の協力体制、②安全かつ確実なデータの送受信、③システムのアップデートトセキュリティ、④迅速は事故原因究明と被害者救済)を踏まえ、車両引渡し後の製造者の運行への継続的関与、製造者によるバックエンドでの車両の人工知能操作に伴う危険の特性、事故原因究明のための製造者と保険者の協力の必要性増大について、ドイツ法との比較法研究を行うことによって、無人自動運転特有の新たな動的製造物責任制度および対応する新たな無人自動運転責任保険制度を明らかにすることを目的とする。
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高度自動運転に対応した損害賠償責任、保険、補償、求償制度に関する日独比較法研究
研究期間: 2018年04月 - 2023年03月 代表者: 金岡 京子
基盤研究(C) 研究代表者 18K01332
本年度は、従来型の自動車と自動運転車が混在し、かつ、自動運転車の割合が少ない、いわゆる過渡期を想定した法制度整備課題に基づき、高速道路等で自動運転が可能な「条件付運転自動化」の段階(レベル3)、および特定の条件が整った区域でシステムがすべての運転を引き受ける「完全運転自動化」(レベル4)の自動車が満たすべき安全技術ライン、運転者の注意義務、自賠責に関するドイツとの比較法研究を行った。
本研究においては、自動運転に対応したドイツの道路交通法1a条に掲げられた高度または完全自動運転機能を搭載した車両が公道で運行するための許可要件は、2018年に日本で策定された安全技術ガイドラインの要件と共通する包括的な基準であること、今後日本において、道路運送車両法に規定するレベル3およびレベル4の自動運転車の保安基準を定める際の比較対象として検討されるべき基準であることを明らかにした。
また、合理的に予見される防止可能な人身事故が発生しないための安全基準を満たす自動運転車の運転者に許容される運転以外の行為、および、自動運転によって新たに課せられる義務について、ドイツ道路交通法1b条における運転者の注意義務と比較検討することにより、今後、日本の道路交通法改正に反映させるべき規律について検討した。
さらに本研究においては、自動運転中の事故については、自賠法における運行供用者責任を無過失責任とすべきか否か、自賠責限度額を引き上げるべきか否か、対物賠償責任も運行供用者責任に取り込むべきか否かを検討するために、ドイツ道路交通法の民事責任に関する7条、18条、事故時のシステムの作動状況を記録する方法等に関する63a条、メーカー等に損害賠償を求めるための制度のあり方について比較研究を行った。
2018年度は、日本においても自動運転に係る制度整備大綱が公表され、レベル3およびレベル4の自動運転車が備えるべき安全技術ガイドラインが策定され、自動運転に対応した道路運送車両および道路交通法の改正法が国会に提出された。自動車メーカーによるレベル3の自動運転車の開発も進み、また、複数の地域で、遠隔型自動運転システムにより、車両内で運転者が手動で運転しない自動運転バス等の実証実験が展開されている。
上記の社会的背景を踏まえ、合理的に予見できる防止可能な人身事故を発生させない安全な自動運転車両の安全基準が、自動運転中の事故における運行供用者の責任、メーカー等の民事責任、事故原因究明のために収集すべきデータの範囲、記録保管方法、保険会社と自動車メーカーとの協力体制のあり方を研究するための出発点であると考え、法制度整備において先行するドイツとの比較研究を行った。
日本の自賠責制度は、人身事故のみを対象としており、また、強制保険である自賠責保険でカバーする補償の範囲は限定的であるため、自動運転によって発生し得る新たなリスクが、現行の自賠責保険でカバーできない場合に、特に、自賠責保険の支払対象外となる対人賠償、対物賠償について、自賠責制度の改正によって解決すべきか、それとも、任意保険の商品開発に委ねるべきか問題となる。
本研究においては、上記のような日本の自賠責制度に特有の問題について、自動運転に対応する民事責任については、強制保険の限度額引き上げ、運転者の注意義務、事故時に記録されたデータを被害者に引き渡す義務を新たに定める以外の立法上の手当てをしなかったドイツとの比較研究の第一段階を終えることができた。
以上のことから、本研究課題は、概ね順調に進展しているといえる。
2019年度は、今国会で成立した自動運転車に対応した道路運送車両法および道路交通法の改正内容を踏まえたうえで、自動運転中の事故については、自動車損害賠償保障法における運行供用者責任を実質的に無過失責任とすべきか、システムまたは車両の欠陥を推定する規定を設けるべきか、自賠責保険の限度額を引き上げるべきかについて、ドイツとの比較法を踏まえた第二段階の分析検討を行う。
また特に、運転者の過失の有無によって、および過失の割合によって、損害賠償責任の有無、および範囲が決まることとなる対物事故については、自動運転中に運転者に認められる運転以外の行為、保安基準を満たした自動運転車に供えられたドライバーモニタリングシステム等の作動状況に応じた運転者の注意義務の程度、事故原因の特定方法について、先行するドイツの学説に踏み込んだ詳細な比較研究を行う。
上記道路運送車両法および道路交通法の改正、ドイツの自動運転中の運転者の過失についての比較法研究の成果を踏まえ、本研究においては、自動運転に対応して自賠法に新たに定めるべき規定について明確化するとともに、その解釈基準に係る説を展開する。