科研費(文科省・学振)獲得実績 - 千足 耕一
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エコツーリズムにおける熟練ガイドのセーフティマネジメントの特徴と構造
研究期間: 2022年04月 - 2025年03月 代表者: 千足耕一
基盤研究(C) 研究代表者 22K12586
本研究は、水圏を活用したエコツーリズムに携わる熟練エコツアーガイドのセーフティマネジメントについてレジリエンスエンジニアリングの視点から、その特徴と構造を明らかにすることにより、エコツーリズムにおける、より進んだセーフティマネジメントに活用することを意図するものである。
1)現場の経験から得られた実践知を明らかにする
2)セーフティマネジメントの枠組みを再構築する
3)研究成果について、エコツーリズムの現場のみならず、学校教育や生涯学習・生涯スポーツの現場にもフィードバックを行う -
サンゴ礁域における持続可能なエコツーリズムのための海面利用調整と環境配慮行動
研究期間: 2025年04月 - 2028年03月 代表者: 千足 耕一
基盤研究(C) 研究代表者 25K15696
本研究は、サンゴ礁域を活用したエコツーリズムに関わる利害関係者や参与者における環境配慮意識・環境配慮行動の構造と特徴を明らかにするとともに、サンゴ礁域の多面的な利用に関して、南西諸島周辺において、環境配慮意識と環境配慮行動についての質問紙調査や聞き取り調査を実施するとともに、サンゴ礁域を利用する漁業者、遊漁者、エコツアー業者といった利害関係者や関連団体における海面利用調整やサンゴ礁の保全に向けた実践について実地調査および聞き取り調査を実施し、得られたデータを量的・質的に分析することによって、サンゴ礁域の観光を持続可能とするための要素、特徴と構造を明らかにする。
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研究期間: 2022年04月 - 2025年03月 代表者: 藤本 浩一
基盤研究(C) 研究分担者 22K11550
中高齢者における素潜り活動中の死亡事故は、レジャーとして行う素潜り活動のみならず、職業素潜り者(海女)の操業中においても近年増加している。本研究は、中高齢者の素潜り活動中における死亡事故要因のひとつと考えられる不整脈について、心拍変動特性から検討することを目的とし、陸上安静時の心拍変動特性から、素潜り活動中や活動後の不整脈発現について予見可能な指標などの探索・特定を行う。また、本研究では不整脈について、民生用腕時計型ウェアラブルデバイスを用いて検討することから、中高齢の素潜り活動者が本研究の成果に沿って、自身の素潜り活動中の事故防止対策を実践することも可能となることが期待される。
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スポーツライフにおけるワークライフインテグレーションとウェルビーイングの関係解明
研究期間: 2021年04月 - 2024年03月 代表者: 松本 秀夫
基盤研究(C) 研究分担者 21K11560
新型コロナウィルス感染症による新しい生活様式が求められている。テレワークの推奨、ワーケーションや居住地の変更が行われ、仕事、生活の新たな形態が模索されている。そして、仕事と生活の統合であるワークライフインテグレーション(WLI)が注目されている。
本研究はアウトドアスポーツ愛好者とそれを仕事とした人を対象としてWLIとウェルビーイングの関係を質と量の調査による混合分析から解明し、新しい生活様式における豊かな社会とスポーツライフ構築に貢献することを目的とする。
新型コロナウィルス感染症による新しい生活様式が求められている。テレワークの推奨、ワーケーションや居住地の変更が行われ、仕事、生活の新たな形態が模索されている。そして、仕事と生活の統合であるワークライフインテグレーション(WLI)が注目されている。
本研究はアウトドアスポーツ愛好者とそれを仕事とした人を対象としてWLIとウェルビーイングの関係を質と量の調査による混合分析から解明し、新しい生活様式における豊かな社会とスポーツライフ構築に貢献することを目的としている。
実際には、アウトドアスポーツ愛好者とそれを仕事とした人を対象として、ワークライフインテグレーション(WLI)と快楽・持続的ウェルビーイングの関係について、以下2つのテーマの解明を目的としている。
テーマ①「仕事と生活(趣味:スポーツ・レジャー、コミュニティ、家庭)の統合とウェルビーイングの関係の質的分析」。アウトドアスポーツ愛好者とそれを仕事にした人を対象に、WLIとウェルビーイングの関係を半構造化面接調査による質的分析で解明する。
テーマ②「SL-WLI尺度の開発とウェルビーイングの関係の量的分析」。質的分析結果を踏まえSL-WLI尺度の開発を行う。そして、SL-WLI尺度を用いてWLIとウェルビーイング(快楽的・持続的)との関係を構造方程式モデリングによる量的分析で解明する。
令和3年度は、新型コロナ感染の影響がまだ残り、特に仕事にした人の調査においては、事業継続に支障を生じている場合や休止を余儀なくされている状況であった。具体的なインタビュー調査については、夏期に実施することは困難あったが、冬期に北海道ニセコにおいてBCスキーガイドの方の話を聞くことができた。また、参与観察を行いニセコの状況等の情報収集を行うことができた。しかし、蔓延防止措置が出ていたことから十分な調査ではなかった。
新型コロナ感染症の影響により、蔓延防止措置が継続的に出され、①半構造化面接によるWLIと快楽的・持続的ウェルビーイングの関係の質的分析については、アウトドアスポーツを仕事にしている人、および愛好者に対する調査を実施することができなかった。特に、仕事にしている人に関しては、新型コロナ感染症により生活と仕事が従来とは異る(離職・休職)現状があり、調査結果が新型コロナ感染症の影響を強く含むものとなってしまう可能性が非常に高いことから次年度に実施を延期した。また、愛好者は活動を継続している人は、ここ数年では増えていはいるが、政府、自治体からの活動自粛により本来の活動ではないことから、やはり延期した。
②SL-WLI尺度の開発とWLIとウェルビーイングの関係の量的分析については、文献等の検討を予定通り実施しているが、質的調査の結果がないことからやや遅れている。
令和4年度は「①半構造化面接によるWLIと快楽的・持続的ウェルビーイングの関係の質的分析」について実施する。政府、自治体からの行動制限等が解除され、屋外でのマスク未装着などが実施されたことから、本年度は、現地調査によるインタビュー調査を実施できる。遅れている研究計画を進めることができると考えている。また、②「SL-WLI尺度の開発とWLIとウェルビーイングの関係の量的分析」については、インタビュー調査の分析と並行して、実施の準備をすすめ年度末に実施ができるように準備を進める。
しかし、新型コロナ感染症が完全終息したわけではないことから、感染対策を周到にし、新型コロナ感染症の影響を含めた調査、分析となることが予想されている。いずれにせよ、本年度は、可能な限りのインタビュー調査の実施と分析、学会発表を行う予定である。 -
研究期間: 2018年04月 - 2021年03月 代表者: 千足 耕一
基盤研究(C) 研究代表者 18K10922
本研究では、沖縄県において取り組まれている海洋文化復興運動としての帆漕サバニについて、復興運動の背景、経緯を明らかにすることを目的としている。
平成30年度には、糸満市を中心に、保存されていたサバニに関する史的資料を収集するとともに、帆かけサバニ復興運動に関わる組織(帆かけサバニ保存会,サバニレース実行委員会等)およびサバニ研究者や船大工、サバニ愛好者などの重要な人物を対象として聞き取り調査を実施して、逐語データを得た。また、サバニに関連する沖縄県座間味村の自治体職員、民宿経営者、レース主催者、観光客等を対象とした調査を実施するとともに、船舶利用者や観光客数の推移等のデータを地方自治体より得た。これまで19回にわたって開催されてきたレース参加艇数などについて整理した。
サバニ復興運動のひとつである「サバニ帆漕レース」を主催する、サバニレース実行委員会の2名を対象として行った聞き取り調査の結果について報告した。与那国島で使用されていたサバニに乗りカジキ漁を取材したこと、沖縄のヨット関係者をはじめとする重要な人物たちに帆かけサバニ復興について相談をしたことなどがこの復興運動のきっかけとなっていたことが把握できた。レースにすることで操船技術の伝承や船大工の活躍も見られるようになっている。(学会発表:2018年9月)また、レースの社会的な影響について調査するために、メディア等への露出頻度に関する資料(雑誌記事や新聞記事)の収集を行っている。
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逐語データを得たものの、それらを十分に整理して検討するための時間が十分でなかった。
現在までに得られたデータを整理するとともに、追加的な聞き取り調査を実施し、論文を作成していく予定である。 -
研究期間: 2016年04月 - 2020年03月 代表者: 藤本 浩一
基盤研究(C) 研究分担者 16K01754
平成29年度は、平成28年度に引き続き具体的な鉛玉の分散装着について、海女の改善要望を反映した試作品の作成→実使用による評価というサイクルにて方法論の模索を行った。本年度は、頸部よりつり下げる形で2~3kgの鉛玉を装着し、これをウエットスーツの下に装着する方法を中心として検討を進めたものの、結果的に複数の海女集落よりコンセンサスを得る方法を決定することは出来なかった。この要因として、海女集落毎の漁場における海藻の繁殖状況や海底地形、ならびに漁獲対象物の資源量において大きな差異が存在し、このような各地区の条件的差異に起因する潜水漁形態の差異を包括的に解決することが非常に困難であったことが挙げられる。
また、海女の腰痛発症要因を明確にすべく、近年、職業性腰痛発症に関与することが示唆されている心理・社会的ストレス要因および個人的要因が、海女の腰痛発症にも影響を及ぼしているか否かに関する検討について、本年度は第6回日本海洋人間学会にて成果発表を行った。心理・社会的ストレス要因については、他業種と比較して低い値を示し、海女は一般的に重労働とみなされていることから、心理・社会的ストレスも高いことが予測されたものの、この予測と相反する傾向が得られた。個人的要因については、他業種の傾向と同じく、身体の柔軟性が低いものは腰痛の程度が高い傾向が得られた。さらに、上記の海女の腰痛発症要因については、三重県の鳥羽・志摩地方の海女にも、データおよび傾向、腰痛対策に関するフィードバックを、鳥羽市立海の博物館ならびに志摩市役所政策推進部里海推進室と協働して実施した。
各海女集落よりコンセンサスを得た鉛玉分散装着方法の決定が、平成28・29年度の第1の達成目標であったが、あまりに各海女集落における漁業形態に差異があったため、コンセンサスの得た方法を決定することが出来なかった。しかしながら、海女の腰痛発症要因の明確化については、概ね達成できた。
最大の懸案となっている鉛玉分散装着方法の決定であるが、平成28・29年度の2カ年を要しても決定できなかった為、装着方法に関する模索は本年度までで終了し、30・31年度は実証実験に移行することとする。実証実験に採用する鉛玉分散装着方法については、ヨーロッパ地中海沿岸の素潜り漁師が使用しているウエットスーツ生地で作成されたベストの中に板状の鉛を入れたものを、腰に装着した鉛玉と併用する方法を用いることとする。この方法において、実証実験への協力が可能である海女を募集したところ、三重県志摩市の波切地区、甲賀地区、志島地区の海女より協力可能である旨の返答を得ている。平成30年度は、分散装着を実施する介入群と分散装着を実施しない対照群の人選を行い、順調に進捗すれば平成30年度内に鉛玉分散装着における腰痛軽減効果の実証実験を開始する予定である。人選が順調に進捗しない場合は、平成31年度に実証実験を開始する。 -
海洋自然体験への継続的参加によるライフスキル獲得に関する基礎的研究
研究期間: 2015年04月 - 2019年03月 代表者: 千足 耕一
基盤研究(C) 研究代表者 15K01516
本研究の目的は、海洋自然体験活動において、どのような体験が参加者のライフスキル獲得プロセスに影響を及ぼすかを明らかにすることである。そのために、先駆的取り組みを行ってきた者を対象としたインタビュー調査、海洋自然体験活動への参加者への質問紙調査、指導者を対象とした質問紙調査を実施することにより、海洋自然体験活動によるライフスキルの獲得プロセスを探索した。その結果、活動の場となる海が持つ特徴、海での自然体験活動に含まれる様々な状況、他者との関係、活動の継続によって意思決定、問題解決、創造的思考、コミュニケーション、ストレスへの対処などのライフスキル獲得に影響を及ぼすことが示唆された。
海洋自然体験活動がライフスキルに及ぼす影響についての量的研究成果は示されているが、質的研究が不足している状況である。どのような体験あるいは刺激が、心理的あるいは行動の変容に影響を及ぼしたかを検討するためには、インタビューなどの研究方法を導入することが望まれる。そこで、本研究では、海洋自然体験活動について先駆的取り組みを行ってきた者を対象に聞き取り調査を実施するとともに、海洋自然体験に参加した者を対象とした質問紙調査、海洋自然体験活動の指導者を対象とした質問紙調査を実施することにより、ライフスキルの獲得プロセスを総合的に探索した。