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片桐 孝之 (カタギリ タカユキ)

KATAGIRI Takayuki

職名: 准教授
所属: 海洋生物資源学部門
学位: 博士
学位の分野名: 水産学

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論文 【 表示 / 非表示

  • Adjuvant effect of allogeneic blood in vaccines against Edwardsiellosis in Ginbuna Crucian Carp Carassius auratus langsdorfii

    Jingjing CAO; Kunihiko Futami; Masashi Maita; Teruyuki Nakanishi; Takayuki Katagiri , 2023年

    Fish & Shellfish Immunology

  • Mitochondrial dysfunction matures Ras-induced early senescence to full senescence with a proinflammatory senescence-associated secretory phenotype in the fish cell line, EPC

    Rin Shirasaka , Takayuki Katagiri , Kunihiko Futami , 2024年11月

    Biochemical and Biophysical Research Communications

  • Effects of humic acid supplemented feeds on growth performance, hematological parameters and antioxıdant on common carp (Cyprinus carpio)

    Çoban N., Haga Y., Maita M., Futami K., Yılmaz S., Ergün S., Yiğit M., Seong T., Oktay O., & Katagiri , 2024年06月

    MARINE REPORTS , 3 (1) , 63 - 76

  • Resistance to premature senescence in the Epithelioma papulosum cyprini fish cell line is associated with the absence of PML nuclear bodies

    Kunihiko Futami, Hayato Ito, Takayuki Katagiri , 2024年

    Fish Physiology and Biochemistry

  • Lack of a p16INK4a/ARF locus in fish genome may underlie senescence resistance in the fish cell line, EPC

    Kunihiko Futami, Shunichi Sato, Masashi Maita, Takayuki Katagiri , 2022年04月

    Developmental & Comparative Immunology

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科研費(文科省・学振)獲得実績 【 表示 / 非表示

  • 魚類には「ない」遺伝子の導入による魚類由来培養細胞株の老化耐性メカニズムの解明

    研究期間:  2022年04月  -  2025年03月  代表者:  二見 邦彦

    基盤研究(C)  研究分担者  22K05818 

    ヒト正常二倍体細胞は,培養を続けるうちに老化して分裂を停止し,最終的には死滅してしまう。一方,魚類由来培養細胞の多くは,癌化や形質転換の形跡がないにも関わらず容易に株化し,また分裂寿命や細胞老化の兆候が見られないという,特異な性質を持っている。しかしながら,その老化耐性のメカニズムは40年以上にわたって謎であった。
    本研究では,魚類由来培養細胞がどのようにして完全老化に対する耐性を維持しているのか,魚類には「ない」遺伝子の導入により魚類由来培養細胞の完全老化誘導を試みることで,その分子メカニズムを解明する。

  • MHCの多型性をアジュバントとして用いたエドワジエラ感染症に対するワクチンの開発

    研究期間:  2021年04月  -  2024年03月  代表者:  片桐 孝之

    基盤研究(C)  研究代表者  21K05769 

    現在、魚類養殖の防疫対策は、「ワクチンを利用した予防」が主流である。特に、細菌感染症に対しては、多くのワクチンが発売され、生産者の経済的損失を軽減し、社会に多大な恩恵をもたらしている。このような、成功事例がある一方、特別な性質を持つ細胞内寄生菌による感染症は未だに猛威をふるっており、十分な予防効果が得られているワクチンの開発には成功していない。細胞内寄生菌を排除するには、感染した宿主細胞ごと殺菌できる細胞性免疫を特異的に活性化する必要がある。本研究では、魚個体間の主要組織適合抗原(MHC)の多型性に視点をおき、別個体に接種した血液を細胞性免疫活性化のアジュバントとして利用するものである。

  • 養殖環境のストレスはDNA脱メチル化を介して魚類細胞の老化を引き起こすか?

    研究期間:  2019年04月  -  2022年03月  代表者:  二見 邦彦

    基盤研究(C)  研究分担者  19K06234 

    魚類由来培養細胞の多くは,癌化や形質転換の形跡がないにも関わらず,分裂寿命や老化の兆候が見られないといった特徴がある。申請者は最近,ゲノムDNAを脱メチル化させると魚類由来培養細胞が老化することを突き止めた。一方で,環境中の様々な外的ストレスは,DNAのメチル化異常をはじめとするエピジェネティック変化を誘導することが知られているが,これらのストレスがゲノムDNAの脱メチル化を介して細胞老化を誘発するのかは依然として不明である。
    本研究では,ゲノムDNAの脱メチル化がどのようにして細胞老化を誘導するのか,また,ストレスや病原体の増殖が細胞老化を引き起こすかについて明らかにする。

  • ローズマリーを用いた寄生虫防除技術の開発

    研究期間:  2017年04月  -  2020年03月  代表者:  片桐 孝之

    基盤研究(C)  研究代表者  17K07905 

    魚病をもたらす病原体は、細菌、ウイルス、寄生虫に大別されるが、実用化ワクチンは細菌とウイルスのみである。一部の寄生虫に対する治療薬はあるものの、予防対策は手つかずの状態である。寄生虫は、多種多様な仲間の総称であり、寄生虫による魚病被害の撲滅は、魚病学に残った最大の課題となっている。このような背景から本研究では、天然ハーブによる寄生虫制御方法の開発に取り組んだ。
    本研究で使用するハーブは、古くから地中海沿岸地方で食されおり、種々の抗微生物活性を有するローズマリーを選択した。この水およびエタノール抽出物とモデルとなる寄生虫としてダクチロギルスを用いた。
    ミキサーで粉砕したローズマリーに10倍量の蒸留水を加えて、成分を溶出させた。これらを様々な量で市販飼料と混ぜ合わせたものを30日間コイに給餌したところ、特に異常を呈する行動は観察されなかった。肝臓を病理組織学的に観察したところ、20 ml/100g飼料以上の混ぜたもので飼育した魚体肝臓に、核濃縮や不規則な形を持った核や壊死性細胞が認められた。また、この水抽出物に含まれるテルペン類濃度をGS/MSで定量したところ、1, 8-Cineoleが最も高く含有されていた。さらにこの精品を直接ダクチロギルスに加えて、殺虫することを確認した。また、ダクチロギルスに感染したコイに水抽出物60 ml/100g飼料を20日間連続給餌したところ、駆虫効果が得られた。
    以上のことから、ローズマリーの水抽出物の投与は、ダクチロギルスの駆虫には効果があるが、安全性試験と照らし合わせて、さらなる投与計画の改善が必要であることが明らかになった。
    本年度は概ね計画の通りに推移した。インビトロ試験においてローズマリーの水とエタノール抽出物が、ダクチロギルスを直接死滅させる効果が明らかとなった。さらに、ローズマリー中に含まれる1, 8-Cineoleが含有量モノテンペンで最も多く、さらに最も高い殺虫作用を有していたことから、殺虫効果の主成分として考えられた。
    いくつかの魚類寄生虫症に対しては、水産用医薬品として承認を受けた駆虫薬による対策が取られているが、薬浴では作業者の負担が大きく、養殖魚に対して大きなストレスを与えることになる。そこで、水抽出液を餌に混ぜた飼料を、ダクチロギルスに感染しているコイに20日間連続投与したところ、60 ml/100g飼料の実験区で、コイの鰓からダクチロギルスの駆虫効果が確認されたことから、実用に値する結果となった。一方、駆虫効果のある添加量を含む飼料の連続投与により、肝臓で毒性が確認されたことから、このまま使用することは望ましくないと判断された。しかし毒性を示す物質がどのような物質であるかまでは特定はできなかった。
    ダクチロギルスに寄生しているコイの循環水の下流側に未感染コイを飼育して、人為的に感染させる実験水槽を作製した。この時、上記駆虫効果が認められた60 ml/100g飼料を21日間給餌して、感染予防効果について検討を行った。実験終了後に、コイの鰓におけるダクチロギルスの個体数をカウントして、対照区と比較したところ、寄生数に違いは認められなかった。
    以上から、駆虫効果はあるが、その有効濃度では魚毒性を有する。さらに予防効果は無く、その理由はあきらかにできなかった。
    Wang(2008)らは、ローズマリーのGS/MS分析により、種々の有機化合物の定量を行っている。我々も、予備実験として、ローズマリーの蒸留水と75%エタノール抽出液のGS/MS分析を行ったところ、1,8-シネオール、α-ピネン、β-ピネン、カンフル、カンフェンの有機化合物が豊富に含まれていることを確認している。これら成分は、抗炎症作用、鎮痛作用、血行促進作用などの種々の機能を有しており、医薬品原料として用いられている。さらに、これら成分は、エタノール抽出物が、水抽出物よりおおむね10倍濃く含まれていた。
    平成30年度は、エタノール抽出物を用いて、ダクチロギルスの駆虫効果と感染予防効果を検討し、毒性試験も併せて行う。本年度得られた駆虫効果はあるが、その有効濃度では魚毒性を有する。さらに予防効果は無く、その理由はあきらかにできなかったことを再検証する。駆虫・感染予防効果があった場合は、血中濃度や体表粘液における上記5種類の有機化合物の濃度を定量し、個々の物質による効果と毒性を明らかにする予定である。
    以上によって水、エタノール抽出物を餌に加える量を再検討し、①飼育魚にストレスを与えることなく投与が可能であること、②毒性が認められないこと、③十分な寄生虫駆虫・感染予防効果があることを満足させるかを考察する。
    以上が満足できた場合、マダイの白点虫やスクーチカ繊毛虫、ブリやフグのハダムシへの応用が可能であるか検証を行う。

  • 内在性短鎖RNAによる養殖魚の残留農薬モニタリング

    研究期間:  2016年04月  -  2019年03月  代表者:  二見 邦彦

    基盤研究(C)  研究分担者  16K07836 

    水産物の安全性確保は世界的に重要性が増してきており,生産段階での適切なリスク管理がより一層求められるようになった。しかしながら,水産養殖の過程では使用されないはずの農薬が養殖魚から検出されるなど,想定外のケースが報告されている。
    近年,医学分野においては,薬の毒性評価や病気の診断のために,ヒト血漿や血清中の内在性の短鎖RNA(miRNA)をバイオマーカーとして用いる研究が盛んに進められている。一方で,養殖魚における残留農薬類のモニタリングを目的とした研究は皆無である。前年度までに,魚類のmiRNAをバイオマーカーとした,養殖魚における残留農薬類の新規モニタリングシステムを開発することを目的とし,合成抗菌剤マラカイトグリーンの代謝物であるロイコマラカイトグリーン(LMG)と有機塩素系農薬エンドスルファン(EN)の曝露によって発現が変動するmiRNAを探索した。その結果,2500 ppbのLMG曝露においてはmiR-34とmiR-199-1が,50 ppmのEN曝露においてはmiR-22a-1の発現が著しく上昇することが確認された。また,LMGの曝露では,miR-153bとmiR-22a-1も有意な発現上昇を示した。そこで本年度は,LMGが生体内に長く残留する性質を考慮し,LMGを濃度別にティラピアに経口曝露させた際にこれらのmiRNAの発現が変動するかを調べた。
    miR-153b,-22a-1,-34,-199-1の発現量がLMGの体内濃度とパラレルに変動するかどうかをリアルタイムPCRにより解析ところ,これら4つのmiRNAについて,いずれもコントロール区との有意差は見られなかった。このことから,miR-34とmiR-199-1は,LMGが魚体内にある程度蓄積した状態においてのみ有用なバイオマーカーとなりうることが明らかとなった。
    平成28年度において,高濃度のLMGを曝露した際に発現が変動するmiRNAとしてmiR-153b,-22a-1,-34,-199-1を同定できたことから,本年度では,LMGが生体内に長く残留する性質を考慮し,一時的にLMGを曝露させた際にこれらのmiRNAの発現が変動するか検証した。
    2500 ppb以下の低濃度(2500,500,100 ppb)のLMGを経口曝露し,肝臓におけるmiR-153b,-22a-1,-34,-199-1の発現が変動するかを調べた。リアルタイムPCRの結果,いずれのmiRNAについても発現は誘導されず,繰り返しのある二元配置の分散分析においてもコントロール区との有意な差はみられなかった。このことから,LMGの一時的な曝露による残留においては,これらのmiRNAをバイオマーカーとして使用することは困難であると考えられ,実用化へ向けてはさらに低濃度のLMGに対する感度を上げていくなどの必要性が生じた。また,miRNA種は多岐にわたるため,候補となるmiRNAの数をさらに増やし,複数のmiRNAマーカーを用いることでモニタリング精度を向上させることも課題として残された。一方で,魚体内にある程度のLMGが蓄積した際には,miR-34とmiR-199-1は有用なバイオマーカーとなりうることが示唆された。
    なお,同一個体を経時的にモニタリングするために,今後はこれらの候補miRNAが血漿や血清中でも発現変動するかについて明らかにしていく必要があるが,本年度は実行できなかった。
    miRNAバイオマーカーを養殖場において実用化する場合,低濃度の曝露を鋭敏に検出できるかどうかが課題となる。そのため,他のmiRNAとの併用も考慮し,新たなmiRNAを探索していく必要がある。平成29年度までは,主に薬物代謝酵素や内分泌攪乱化学物質の受容体などをターゲットとしていると推測される4種類のmiRNAに着目したが,平成30年度は,その他の既知のmiRNAにも着目する。また,クロルピリフォス(CPF)など世界(特にアジア)で広く使用されている農薬についても解析の対象とする。miRNAのバイオマーカーとしての感度や特異性については,これまでどおり,リアルタイムPCRの結果から作成したROC曲線をもとに評価する。
    平成28,29年度では,すでに発現が確認されている肝臓を中心にmiRNA量の定量を行ったが,同一個体の経時的モニタリングには,血漿中miRNAの発現変動を調べることが有効である。血漿中miRNA量は肝臓に比べて少ないことが予想されるため,平成30年度では,血漿中や血清,あるいは全血を用いた微量miRNAの安定した抽出法や定量法について検討する。また,魚類由来培養細胞株EPCにENやCPFなどを添加し,培地を血漿または血清のミミックとすることで分泌型miRNAを定量することも検討する。
    血漿または血清中miRNA量が農薬類の曝露により亢進する理由として,組織または有核赤血球における分泌型miRNAの転写量の上昇や,エキソソームに封入された各組織におけるmiRNAの組織障害による分泌などが考えられる。そこで,Locked Nucleic Acidプローブを用いたWhole mount in situハイブリダイゼーション法により,農薬類の曝露でmiRNAの局在がどのように変わるかを三次元的に明らかにする。

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授業科目 【 表示 / 非表示

  • 担当授業(学部)

    海洋動植物学実習

  • 担当授業(大学院)

    分子環境毒性学

  • 応用生物工学特別研究

  • 海洋生物工学特別演習

  • 海洋生物工学特別研究