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舞田 正志 (マイタ マサシ) MAITA Masashi
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論文 【 表示 / 非表示 】
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Health Risk Assessment of Metals via Consumption of Rapa Whelk (Rapana venosa) from the Black Sea
Baris Bayrakli, Murat Yigit, Mutlu Altuntas, Masashi Maita , 2024年07月
Journal of Agricultural Sciences , 30 (3) , 546 - 561
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EFFECTS OF HUMIC ACID SUPPLEMENTED FEEDS ON GROWTH PERFORMANCE, HEMATOLOGICAL PARAMETERS AND ANTIOXIDANT CAPACITY ON COMMON CARP (Cyprinus carpio)
Nergiz COBAN, Yutaka HAGA, Masashi MAITA, Kunihiko FUTAMI, Sevdan YILMAZ, Sebahattin ERGUN, Murat YIGIT, Taekyoung SEONG, Ozan OKTAY and Takayuki KATAGIRI , 2024年06月
Marine Reports , 3 (1) , 63 - 76
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Analysis of the economic performance of salmon farming in submerged and surface cages in the Black Sea
Umut Yigit, Murat Yigit, Sebahattin Ergun, Halit Kusku, Huseyin Ek, Masashi Maita , 2024年05月
Aquaculture International , 32 (1) , 101 - 118
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Doxycycline pharmacokinetics and tissue depletion in striped catfish (Pagasianodon hypophthalmus) after oral administration
Pham Quang Vinh, Nguyen Quoc Thinh, Mathias Devreese, Siska Croubels, Dang Thi Hoang Oanh, Anders Dalsgaard, Masashi Maita, Tran Minh Phu , 2024年
Journal of Veterinary Pharmacology and Therapeutics
著書 【 表示 / 非表示 】
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新版 魚病学概論
舞田正志 , 2020年09月
恒星社厚生閣 , 第7章 環境性疾病 , p128-138,第7章
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魚介類の微生物感染症の治療と予防
舞田正志(青木 宙編) , 2013年09月
恒星社厚生閣 , 第3章水産用抗菌剤・消毒剤 第4節薬剤の投与法、第5節水産用医薬品と養殖魚の安全性 , 263-276
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安全安心のための養殖管理マニュアル
舞田正志 , 2011年08月
緑書房 , 全章 , 1-160
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改訂 魚類の栄養と飼料
舞田正志・キロンヴィスワナス (渡邉 武編) , 2009年08月
恒星社厚生閣 , 魚類の栄養と健康 , 251-269
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改訂・魚病学概論
編小川和夫・室賀清邦他17名、舞田正志 , 2008年09月
恒星社厚生閣 , 第11章感染症の診断法と病原体の分離・培養法、§9 血液検査および生理学的検査法 , 171-173
科研費(文科省・学振)獲得実績 【 表示 / 非表示 】
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養殖環境のストレスはDNA脱メチル化を介して魚類細胞の老化を引き起こすか?
研究期間: 2019年04月 - 2022年03月 代表者: 二見 邦彦
基盤研究(C) 研究分担者 19K06234
魚類由来培養細胞の多くは,癌化や形質転換の形跡がないにも関わらず,分裂寿命や老化の兆候が見られないといった特徴がある。申請者は最近,ゲノムDNAを脱メチル化させると魚類由来培養細胞が老化することを突き止めた。一方で,環境中の様々な外的ストレスは,DNAのメチル化異常をはじめとするエピジェネティック変化を誘導することが知られているが,これらのストレスがゲノムDNAの脱メチル化を介して細胞老化を誘発するのかは依然として不明である。
本研究では,ゲノムDNAの脱メチル化がどのようにして細胞老化を誘導するのか,また,ストレスや病原体の増殖が細胞老化を引き起こすかについて明らかにする。 -
研究期間: 2016年04月 - 2019年03月 代表者: 二見 邦彦
基盤研究(C) 研究分担者 16K07836
水産物の安全性確保は世界的に重要性が増してきており,生産段階での適切なリスク管理がより一層求められるようになった。しかしながら,水産養殖の過程では使用されないはずの農薬が養殖魚から検出されるなど,想定外のケースが報告されている。
近年,医学分野においては,薬の毒性評価や病気の診断のために,ヒト血漿や血清中の内在性の短鎖RNA(miRNA)をバイオマーカーとして用いる研究が盛んに進められている。一方で,養殖魚における残留農薬類のモニタリングを目的とした研究は皆無である。前年度までに,魚類のmiRNAをバイオマーカーとした,養殖魚における残留農薬類の新規モニタリングシステムを開発することを目的とし,合成抗菌剤マラカイトグリーンの代謝物であるロイコマラカイトグリーン(LMG)と有機塩素系農薬エンドスルファン(EN)の曝露によって発現が変動するmiRNAを探索した。その結果,2500 ppbのLMG曝露においてはmiR-34とmiR-199-1が,50 ppmのEN曝露においてはmiR-22a-1の発現が著しく上昇することが確認された。また,LMGの曝露では,miR-153bとmiR-22a-1も有意な発現上昇を示した。そこで本年度は,LMGが生体内に長く残留する性質を考慮し,LMGを濃度別にティラピアに経口曝露させた際にこれらのmiRNAの発現が変動するかを調べた。
miR-153b,-22a-1,-34,-199-1の発現量がLMGの体内濃度とパラレルに変動するかどうかをリアルタイムPCRにより解析ところ,これら4つのmiRNAについて,いずれもコントロール区との有意差は見られなかった。このことから,miR-34とmiR-199-1は,LMGが魚体内にある程度蓄積した状態においてのみ有用なバイオマーカーとなりうることが明らかとなった。
平成28年度において,高濃度のLMGを曝露した際に発現が変動するmiRNAとしてmiR-153b,-22a-1,-34,-199-1を同定できたことから,本年度では,LMGが生体内に長く残留する性質を考慮し,一時的にLMGを曝露させた際にこれらのmiRNAの発現が変動するか検証した。
2500 ppb以下の低濃度(2500,500,100 ppb)のLMGを経口曝露し,肝臓におけるmiR-153b,-22a-1,-34,-199-1の発現が変動するかを調べた。リアルタイムPCRの結果,いずれのmiRNAについても発現は誘導されず,繰り返しのある二元配置の分散分析においてもコントロール区との有意な差はみられなかった。このことから,LMGの一時的な曝露による残留においては,これらのmiRNAをバイオマーカーとして使用することは困難であると考えられ,実用化へ向けてはさらに低濃度のLMGに対する感度を上げていくなどの必要性が生じた。また,miRNA種は多岐にわたるため,候補となるmiRNAの数をさらに増やし,複数のmiRNAマーカーを用いることでモニタリング精度を向上させることも課題として残された。一方で,魚体内にある程度のLMGが蓄積した際には,miR-34とmiR-199-1は有用なバイオマーカーとなりうることが示唆された。
なお,同一個体を経時的にモニタリングするために,今後はこれらの候補miRNAが血漿や血清中でも発現変動するかについて明らかにしていく必要があるが,本年度は実行できなかった。
miRNAバイオマーカーを養殖場において実用化する場合,低濃度の曝露を鋭敏に検出できるかどうかが課題となる。そのため,他のmiRNAとの併用も考慮し,新たなmiRNAを探索していく必要がある。平成29年度までは,主に薬物代謝酵素や内分泌攪乱化学物質の受容体などをターゲットとしていると推測される4種類のmiRNAに着目したが,平成30年度は,その他の既知のmiRNAにも着目する。また,クロルピリフォス(CPF)など世界(特にアジア)で広く使用されている農薬についても解析の対象とする。miRNAのバイオマーカーとしての感度や特異性については,これまでどおり,リアルタイムPCRの結果から作成したROC曲線をもとに評価する。
平成28,29年度では,すでに発現が確認されている肝臓を中心にmiRNA量の定量を行ったが,同一個体の経時的モニタリングには,血漿中miRNAの発現変動を調べることが有効である。血漿中miRNA量は肝臓に比べて少ないことが予想されるため,平成30年度では,血漿中や血清,あるいは全血を用いた微量miRNAの安定した抽出法や定量法について検討する。また,魚類由来培養細胞株EPCにENやCPFなどを添加し,培地を血漿または血清のミミックとすることで分泌型miRNAを定量することも検討する。
血漿または血清中miRNA量が農薬類の曝露により亢進する理由として,組織または有核赤血球における分泌型miRNAの転写量の上昇や,エキソソームに封入された各組織におけるmiRNAの組織障害による分泌などが考えられる。そこで,Locked Nucleic Acidプローブを用いたWhole mount in situハイブリダイゼーション法により,農薬類の曝露でmiRNAの局在がどのように変わるかを三次元的に明らかにする。